お客様の声

宮城県教育庁義務教育課 加藤琢也氏 (震災当時 岩沼市立岩沼小学校教諭)

震災当時、岩沼市立岩沼小学校の教諭であった、加藤先生(現、宮城県教育庁義務教育課)を取材させて頂きました。

--いつもお世話になっています。震災当日、加藤先生はeメッセージでメールを配信されたと伺っていますが、当時の様子をお聞かせ頂けないでしょうか?

voice-1eメッセージについては、自分の中では完璧に習熟していると思っていました。
日常的に使っていましたから。特に、修学旅行のレポートや、不審者情報に。
普段はパソコンからと携帯からが4対6で、携帯からの配信が多かったです。
いつでも送信できるよう、携帯のアドレス帳の上の方に送信用のアドレスを入れていました。
震災当日、電気がすぐにダメになり、でも、eメッセージで家庭に連絡が必要でした。
子供達は無事と伝え、迎えに来てもらおうと思ったのです。
教頭から、「いつものように送って!」と言われました。
ところが、何をしたらよいかわからない自分に気付きました。パニックに陥っていたのです。
「教頭先生、どうしていいかわかりません」と訴えました。
教頭が、「わかった。今送れるのは君しかいないから思い出して!」と言うので、気を落ち着かせて5分程考えました。携帯の履歴を見ながら、送信ボックスを見て、“あっ、そうだ!”と。

でも次は、文章を打たなきゃいけない。手が震えてましたね。とにかく一人では送信までは無理だと思って、他の先生に相談して、2人で確認をして、送信ボタンを押しました。

いつもならすぐに返信(確認メール)が来るところ、なかなか返信がきません。
確か、20分ぐらい来なかったですね。確認メールが届いた頃には、ようやく冷静になれました。その後の「送りました」メールもすぐに届かず、さらに25分ぐらいかかりました。
トータルでは45分かかっていると思います。
午後2:46地震発生=>3:00に校庭=>3:15にメール配信方法がわからない
=>3:30頃メール送信=>4:30近くに送り終わりました。
実に地震発生から1時間30分たって送れたことになります。

voice-2それだけの時間が経っていても、保護者に連絡が送れたことで、安心できました。
携帯は生きているとわかったから。eメッセージがなかったら連絡ができなかった。
この時、保護者に連絡できたことは、状況が分からない中で励みになったし、この日のためにeメッセージに入っていたんだ、と思いました。

落ち着いてからは、震災時のことを見直し、送り方について改めてチェックしました。
アドレスにメールを送信 => 返信 => 又送る という流れを明示し、
本文の頭に地震、不審者など4パターンぐらい、何が起きたか、保護者にはどうして欲しいか、メールを送る担当者が慌てていても送信の仕方がわかるようなチェックシートを用意しました。

--体験を踏まえた、実践的なものですね。参考にしたいと思いますが、お持ちでしょうか?

voice-3岩沼小学校にあると思うので、聞いてみて下さい。
とにかく、担当者が普段の避難訓練の時に、あらかじめ送信するメールを打って待っていてはダメです。
より実践的な訓練が必要で、これにより、思い込みの送信(送ったつもり)を防げると思います。また、携帯は何台も送信者登録しておくべきで、一人の人しか送信できないようではダメです。

余談ですが、修学旅行のレポートは、当初は出来事全てを時系列でメール配信していましたが、その後、一部の保護者から他学年の内容が頻繁に届くとクレームがあり、内容はブログに掲載するようにして、朝と帰る時にそのブログへの案内をメールするという方法に改善しました。
先生達には、運動会の朝や災害時にメール配信している他、PTA役員グループでも重宝しています。

“ありがとうございます。今後、大地震などの非常時には自動で確認メールが不要になるなどの改善をして、更に災害時に短時間で配信ができるように改善していきたいと思います。大変参考になりました。ありがとうございました。”